服部滋樹
1998年大阪、南堀江にショールーム“graf”をオープン。2000年に大阪、中之島に“graf bld. ”を設立。オリジナル家具の企画・製作・販売から、店舗・住宅プロデュース、設計・施工、グラフィックデザイン、カフェ経営などを手がける。
http://www.graf-d3.com/
服部滋樹(graf)+後藤繁雄×アーティスト
10人のアーティストとインテリア集団grafがコラボした、
特製チェアづくりが進んでいます。
リビング・アート・プロジェクトは、アートをもっともっと生活の中へといざないます。そのためにアーティストが「作品」をつくるのではなく、「椅子」をつくります。でも、座れない椅子ではイヤでしょう? だから、人気アーティスト奈良美智や大竹伸朗ともコラボして、有名なインテリア集団grafが登場。ビッグネームのアーティストがさりげない小さな椅子を、アクアテラスのためにつくってくれているのです。grafのリーダー、服部滋樹とプロデューサーの後藤繁雄の、ある日の対話です。
後藤―アーティストに「作品」じゃなくて「椅子」のアイデアを出してもらおうよという言い出しっぺは僕なんだけど、告白すると、最初のヒントは大阪にあるgrafの1階なんだ。
服部―ほんとに? あれは、「いろんな椅子があるんだよ」というプレゼンテーションの1つでもあるけれど、僕らにとっては「テイスト・オブ・フォークロア」というテーマでもある。だからいろんな民族がつくり、使った椅子が大テーブルをかこんで置いてある。椅子は座った感じで、そこに空間が生まれるものだと思う。たとえば、モンゴルの椅子だったら、大草原が見えてくる優雅さが体感されるとかね。そこで、その国のお茶を飲んだりね。
後藤―世界の椅子で世界のお茶ね。いいねー(笑)。何よりもアート作品だと肌に触れられないけど、椅子なら座ったり、もたれたり、ひじを置いたりできる。つまりカラダで感じられる。アタマでっかちにアートを「解釈」するんじゃなくて、イマジネーションの道具にできるでしょ。アートと道具の両方のセンスがわかってるインテリア集団といったらgrafしかないからね。
服部―いやー(笑)。椅子というのは、人といっしょに長く暮らすものでしょう。肌に触れながら同じ時間を過ごすものをどうやってつくるかということが、僕らがつくり手として考えなくちゃいけないことだと思うんですね。
後藤―だから大切なのは、このアクアテラスで人生の何年かを過ごす大人だったり子どもが、すこしでも記憶に残してくれるようになったら最高だなーって思う。それも有名なアーティストがつくってるからとかじゃなくて、「愛着」の記憶としてね。
服部―なんか、あの椅子って「マイチェア」だったなーみたいなね。そうなったらサイコーだけど(笑)。
後藤―いや、そのうちだけど、grafに「お父さんのための椅子ワークショップ」とかもやってもらって、お父さんによるアーティストチェアもつくってみたいね。お父さん×grafね。
服部―パパすごいやん!、みたいな。
後藤―そうそう。アーティストチェアというのは、できあがったものがそこにあってカッコイイっていうよりも、つねに、次のみんなの思い出づくりのためのきっかけにしたいんだよね。
